令和元年度 大江まちづくり住民協議会 事業報告
「住んでみたいまち、住んでよかったまち」の実現に向け発足した大江まちづくり住民協議会は4年目を迎え、部会員の拡充などを図りながら、活動を進めてきました。幅広くかつ多くの課題を抱えていますが、できるところから事業を展開し、一歩一歩を積み重ね、地域のみなさんに信頼される住民協議会をめざしています。
前年度の西日本豪雨により大江地域も水害、河川や道路の決壊や崩壊など大きな被害を受け、復旧途上ではありましたが、今年は夏イベントも開催され、協議会活動においてもカヌー教室の再開など継続事業が主でありますが、事業計画に基づき実施してきたところです。
しかしながら、年度末を迎えるなか新型コロナウイルスによる感染症が国内外で発生し、福知山市から感染症の拡大防止に向けたイベント開催等の対応方針が出されました。これを受け、まちづくり振興大会を急遽中止するとともに、役員会、総会及び記念講演会、大江山鬼っ子マラソン大会も中止し、総会提出議案については書面決議とすることとしました。
一方、課題解決に向けた取り組みについては、交通手段の確保など研究を続けているところですが、有償運送など大江においての最適な方策を決定できていない状況にあり、スタートからすべての地域で行うことができなくても、小さな範囲で試験的に取り組むといった方法も検討しなければならないと考えています。
部会活動においては、部会員の増強を図りながら、世代間交流事業や新たな観光資源の発掘などに取り組んできました。
プロジェクト事業としては、手長エビの特産化をめざした研究を引き続き取り組みましたが、本格的な養殖に向けた展開には至っていません。今後、専門家のアドバイスを得てさらに研究を進める必要があると考えます。
また、商工会で取り組まれてきたゴミ収集日付きカレンダーについて、分別収集に果たしている役割の重要性を鑑み、急遽ではありましたが取り組みを行いました。各事業所から協賛をいただき、計画どおり全戸配布させていただくことができました。
これからも協議会が開催する各事業への参画者や参加者を更に増やしていくことや、治水対策や交通手段の確保など多くの課題の解決に向けた取組みが必要であり、地域のみなさんの協力や支援を得て進めたいと考えています。
1 事業計画に基づく活動
(1)大江まちづくり住民協議会の体制の強化
協議会全体としての統一性と部会活動の調整を図るため、常任委員会を拡充し取り組みを進めたが、部会活動をさらに活性化させることが必要となっている。
広報啓発では、ホームページやフェイスブックの更新や協議会ニュースの定期発行など、情報発信の充
実を図ってきている。
(2)大江地域が元気になる事業の実施、支援
鬼力の由良川夏まつりや酒呑童子祭りの開催に向け、事務局の一員として本格的な取り組みを行った。また部会では、世代間交流や地域の活性化をめざす事業展開を図った。
(3)大江地域の諸課題を考え、課題解決のために必要な事業の実施
過疎高齢化が進行するなか、公共交通のあり方や住民の交通手段確保のための方策を探るため視察を行うなど研究を重ねているが、結論には至っていない。
また、治水対策など防災に関する取り組みが求められるが、具体的な取り組みには至らなかった。
(4)市との協働事業の試行
市との協働についてはまちづくりを進めるうえで不可欠であるが、その目的や実施内容によってそれぞれの役割分担を明確にすることを基本に対応をしてきた。
2 各部会の活動
部会の体制づくりについては、部会活動の実施状況やテーマごとの研究の進め方などにおけるその必要性によって、部員の増強を行っている。
(1)農業・観光・地域経済活性化部会 (16名)
農業小委員会では、荒廃農地の解消を目的にサツマイモの栽培に取り組むこととしていたが、人員の確保ができないことなどからできなくなった。部会員の確保など体制の立て直しが必要となっている。
観光小委員会では、観光資源を活用しロケ地としての売り込みや大江のPR動画の制作をめざすため、映画撮影への協力の母体として元気プロジェクトや大江地域観光案内倶楽部などと「大江で映画を創る会」を立ち上げた。映画「小津」の撮影は大江の自然、文化などを活かして行われた。今後、試写会の開催が予定されている。
鬼面隊の創設に向けては、酒呑童子祭りに参画し、鬼武者行列に使う衣装とするため各家庭に眠る着物を持ち寄り、酒呑童子1着・姫4着を制作した。また、商工会青年部の方と協力し、鬼面・鬼みこしを共同制作した。
経済小委員会では、ふるさと産品カタログを活用した販路拡大をめざし、大江高校同窓会や各大江会の協力を得るべく協議を行っている。また、京都丹後鉄道との共同事業としては、鬼和味、大江観光と手作り商品や特産品、地場産品の販売を行った。
(2)定住・交流拡大部会 (5名)
大江地域に移住定住していただく方を増やし少しでも地域が活性化するべく、大江のすばらしさ、暮らしやすさをアピールすることに努めるとともに、Uターンプラザや定住促進住宅団地などの施設を紹介してきている。入居希望者も増えてきていると聞いているところであるが、施設の改修などによりさらに入居が進むことをめざす必要がある。
また、都市からの移住希望の方が大江地域を見学された機会に、地元として大江の紹介を中心に懇談したが、こういった機会を積極的に利用しなければならないと考えている。
(3)教育・文化・スポーツ交流部会 (16名)
元年度最初の事業は5月に新緑を浴びながら河東方面で大江地域公民館を拠点としてウォーキングを実施し、途中には観音寺の貴重な仏像の由来などを住職から説明を受けた。
7月のグラウンドゴルフ大会はグラウンド不良のため公式ワナゲ大会に変更した。急な変更で取り組んだ公式ワナゲだったが、子供から高齢者まで幅広く楽しめる競技で、特に女性の方から好評だった。
夏休みには小学生を対象にプログラミング教室を開催した。講師には大江高校の先生方にお願いをし、生徒たちの協力を得て熱心にパソコン操作を教えてもらった。子どもたちも来年度から新たな授業として始まることもあり、簡単なゲームのプログラミングを楽しんで挑戦していた。
8月には昨年中止となったカヌー体験教室を開催した。これはカヌー愛好者を広めるための京都府主催事業で、まち協が企画・運営を行った。申し込みも2日間で定員70人超えとなる人気で、アンケートではほとんどの方が、とても楽しかったので次回も参加したいとの意見だった。
11月には被災を受けて通行止めだった在田橋の復興ウォーキングで、紅葉を楽しみながら復活した潜没橋を渡ることのできる喜びを味わった。
12月には昨年も開催したちぎり絵による干支の年賀状作りを教わり、和紙のちぎり絵でかわいいネズミの年賀状が出来上がった。
節分に昨年も好評であったふれあい餅つき大会を開催した。参加者も60人のうち43人が子供たちで賑やかだった。親子で杵を振り下ろし、子供たちの歓声が響き渡った。また、模型飛行機の組み立てと飛行競技や豆まきなどで楽しい1日だった。
(4)安心・安全環境拡充部会 (10名)
今年度も引き続き住民の交通手段の確保の研究・検討を重点とした取り組みとなった。
過疎地の公共交通空白地有償運送について検討協議し、大江に適した方法を模索している状況にある。三和地域協議会の視察も行ったが、事業主体、運転手や利用者の確保、事故等への対応、行政からの支援など継続して事業を実施していくための方策が見いだせていません。地域により条件が異なることもあり、一部の地域からでも始めることも視野に入れ、引き続き検討していきたい。
また、市バスの減便や土日祝日の運行休止も含む公共交通再編計画に基づき、アンケートが実施されることになり、市とその内容、方法等を協議してきた。アンケートの結果と市の方針を報告いただく予定のまちづくり振興大会が中止となり、その概要について、市から各戸配布いただくこととなった。今後、市バスの再編については、自治会長さんを中心に検討されることになると考えている。